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第4話 伝説の男は商人です。

Author: satomi
last update Huling Na-update: 2025-07-12 07:06:35

 リルリルに乗って移動したので、すぐに火龍の元についた。

 なるほど、暑いな。

 へー、あれが火龍かぁ。せっかくだから、氷で作った檻に入れてみよう。

「今までのやつよりも強いやつが現れたな。しかし、この私に勝てるかな?」

火龍は氷を解かそうとブレスを吐いた。灼熱の吐息。

「熱そうなんだけど、一応檻に入れた段階でブレス対策はしてるんだよね」

 ルーフェスが言ったように、火龍のブレスが檻の中に戻っている。決して檻からは外に漏れない。ただでさえ暑いのに。

「熱くない?」

 檻の中はさっきのブレスの火で満ちている。

「火龍だから平気だが、精神的にダメージを受ける……」

「物理的にも強力な檻だよ♪

俺は思うんだよね。対話をしないで蹂躙するのはいかがなものかと……」

「そうだな」

「今回、火龍の貴方が暴れた理由は?」

「…っ、それはだなぁ。なんだか、俺の封印が解けたんだよ。理由は不明。封印されていた場所なんだが、久しく封印されていたからなんだろうな。なんだか、神殿のようになっていた」

 あぁ、龍ってよく神聖化されているからなぁ。なんだか苦労してるんだなぁ。

「それで、解放感から空に向かって一発咆哮した。遠目で見ても火柱が上がったと思う」

 そうだろうな……。でもそれは、やり過ぎと言えばやり過ぎだけど……。解放感からだもんなぁ。やりたくもなるだろう。

「だってもう数百年以上封印されてたんだぜ?そこからの解放ったらないぜ?」

 そう思う。しかしだ!今現在の人間からすると火龍の解放は脅威でしかない。

「しばらくしたら大軍が押し寄せてよぉ。まぁ、俺様の相手じゃなかったけど?」

 俺は現在の人間の軟弱さとか常識をこの俺様火龍にコンコンと説明をした。なんと3徹をするハメになった。

 リルリルは途中から寝ていた。『いいなぁ』と横目で見ながらの説明だった。

 結果:俺様火龍も俺の従魔となった。サイズは胸ポケットに入るくらいにしてもらった。店ではふよふよと浮かんでいる。

 正体は客に伏せておくことにした。とりあえず、『ドラゴン』とだけ伝えた。

 俺の店はというと、赤猫ちゃんのパーティーメンバーも買いに来るようになった。リーダーは

プライド高いのか?「行かない!」と言ったらしい。

 日常の装備でも俺の魔法の付与でかなりのレベルアップが期待できる。

 本音は「技術を鍛えた方がいいよ」なんだけどなぁ。魔法の付与もそんなに強くかけるようにはしていない。毒耐性とかマヒ耐性とか、かなぁ?

武器に関して言えば、自分の相棒なんだから大事に使え!と言いたい。「切れ味をよくしたい」というやつが来た。「研げ!」と追い返した。研げば済むのに、安易に魔法に頼るとはけしからん!

 弓の命中率を上げたいとかいう依頼については、「練習しろ!」と追い返した。

 リルリルもフェンも俺様火龍も自分で狩りをしてくるので食費に問題はない。俺自身の食事は、俺が狩りをして野営食を作ってもいいしという感じなので、あんまりかからない。

 俺は伝説の男として、マグゥ王家から月額で支給される金があるので、生活が困窮することはない。

 ある日、マグゥ王家から正式に呼び出しがあった。

 俺は……マグゥ王家に献上していた武器・防具に付与していた魔法が実は2割減でボッタくっていたのがバレたのかと内心ハラハラしていたのだが、どうやら違うようだった。

 平民の俺が登城などしていいものかとも思った。

「よく来た、ルーフェス!」

…歓迎された。あ、リルリルとフェンはお留守番。俺様火龍も。

「ご用件は何でしょう?」

「あー…えー…、そのだなぁ……」

陛下の口が重い。

「あの、ご用件がないのなら帰らせていただいても?」

「ちょっと待て待て!ご用件ならある!ココだけの話、頭が8つある大蛇が現れてなぁ」

 ウーム、俺の経験上、『ココだけの話』というものは必ず漏れる!

「で、それを俺に討伐して欲しいと?」

「話が早くて助かる。流石伝説の男・ルーフェス!」

「殺そうとしておいて、持ち上げても知りませんよ」

 俺は女々しいと言われようが何だろうが根に持つ!命を狙われたわけだし。

「それでだなぁ。マグゥ王家でも軍で偵察に行ってもらった」

 偵察とはまた……自殺願望でもあるのか?

「結果の報告だと、厄介な事に8つの頭それぞれから異なる属性のブレスが出てくるらしい。あと数名帰ってこなかった」

 厄介だな。店に戻ったら俺様火龍と相談決定だな。

「場所は?」

「東の方…」

 有難くも非常に曖昧だな。陛下に殺意が湧きそうだ。ここで湧いたら陛下の側近が襲ってくるから大人しくしていよう。殺人者にも前科者にもなりたくないし。

 俺の望みは商売繁盛!

 とはいえ、国の軍は偵察に行けたんだから場所の特定は可能だろう?

「場所の特定、できると楽なんだが奴は復活したばかりで、居場所を求めてウロウロしている段階だ。故に特定ができないのだ。今回、偵察できたのは邪悪な魔力がウロウロしている場所を狙ったからだ」

 うちにも邪悪(?)でウロウロしている存在がいるから、この方法はドキドキだな。いつか、バーンと偵察に来るかもしれないなぁ。俺がいるけど。

「まぁ、了解しました~。報酬は?」

「100万の予定だ」

「120万だな」

「125万!」

「140万!」

「145万!」

「陛下……なにかのオークションでしょうか?ルーフェス殿も150万で手を打ってくれませんか?」

 仕方あるまい。宰相殿まで出てきたのだから、手を打つか……。本当は250万くらいまで釣りあげようとしていた。流石宰相。上がっていく金額にストップをかけたか。やむを得ない。

「わかりました。半額75万は前払いで店の方に送ってください。送金が確認されてから俺は討伐に移動を開始します」

 俺はボランティアで戦っているわけではない。命が懸かってるわけだし。そういうわけで、王家からはたんまりとお金をぼったくる。

 今は商人でもあるし、お金お金いうのはサガというものだろう。

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